伊丹廃港と関空と神戸空港の海底トンネルによる一体化

 

関西には関西空港、伊丹空港、神戸空港の三空港があり、それぞれがお客を取り合う形でしのぎを削っている。
三空港の設置・運営主体は伊丹が国営(国交省)―国が60%以上を出資する第三セクター、関空が民営(関西国際空港株式会社)、神戸が市営(神戸市)となっている。

伊丹空港は最近の単年度は黒字を計上しているが累積収支で大幅な赤字を計上している。又68年以降、全国の騒音対策費のほほ半分に相当する約6,600億円の騒音対策費が投入されている。
関西空港も94年の開港から今日まで、殆んどの年度で経常赤字の計上を余儀なくされている。
その最大の要因は一兆円を超える有利子負債の利払いだ。支払利息の航空系収入に対する比率が大きすぎ、その全額又は大部分が利息返済に回ってしまうのである。

関西空港は24時間フル稼働の2本の長大滑走路を持つ。
後背地周辺の人口や経済活動も活発で、世界有数のハブ空港になりうる潜在性を持っている。
神戸空港は兵庫県からの補助金と神戸市の一般会計等による補填を除くと、赤字続きでその累積累増化の傾向が見られる。
以上を見て云えることは、三空港がいずれも経営リスクを抱えているということだ。

伊丹空港

一般論として空港の存在価値の評価は空港自体の採算性、利用客にとっての利便性、外部経済効果の以上三つである。
以上の状況を総合的に分析した結果“伊丹空港を廃港にすべし”と結論付ける識者は多いが、その中でも代表的な指摘の一つは上山信一 慶応義塾大学教授と山本貢 大阪市立大学大学院研究科修士によるものである。
それによると関空と羽田に集中投資を行い、国際と国内の乗換えが自由にできるハブ空港にする。そして関空の場合は特に大阪都心への鉄道の高速化が必須としている。

リニア

関空とNEMIC新幹線駅の間にリニアモーターカーが出来たとしたら・・・所要時間は約10分だ。その利用価値と地域全体への発展効果は計り知れない程大きなものである筈だ。

伊丹空港のメリット
また、伊丹空港の廃港が実現した場合のメリットは概ね以下のように要約できる。

  1. 高さ制限解除による周辺対象地域の土地の有効利用
  2. 航空機事故および部品欠落被害の解消
  3. 騒音被害の解消
  4. 騒音対策費の解消
  5. 遊休地の有効活用
  6. 制限表面(高さ制限)解消による周辺土地の有効活用
  7. 跡地有効活用による経済波及効果の拡大

大阪国際空港(伊丹)周辺では、航空の安全を確保するため、一定の空域を障害物がない状態にしておく必要があり、高さ制限(進入表面・転移表面・水平表面・延長進入表面・円錐表面・外側水平表面)をもうけているとのことだ。(法律:航空法第49条)
この規制が大阪駅周辺、特に北部の梅田界隈の高層ビル建設等の土地の有効活用による都市開発の大きな妨げとなっているとの声がある。

伊丹周辺の地域は長年悩まされてきた騒音問題が解消し、新しい都市の出現により一大活性化が期待できる。用途地域の変更も行われ、地価も上がるし、所得や財産価値も増える。人口も増え、購買力もより大きくなり、最終的には税収も大きくアップする。

国にとっても関空への年間約90億円の補給金のみならず、伊丹空港周辺騒音対策費が不要となる。
かくて新しい「関西二空港体制」が現実し、三者三様良い結果を得ることとなる。
では最後に神戸空港はどう活用すべきかということだが、神戸空港は国内便を中心に引受け関空と神戸の両空港を地下トンネルで一体化した経営管理体制のもとで、24時間運行可能な海上空港としてアジアのハブ空港の機能を果たしつつ、関西復権、ひいては国家発展に役立たせるべきなのだ。

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